@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00010078, author = {加藤, えみか and KATO, Emika}, journal = {京都産業大学論集. 自然科学系列}, month = {Mar}, note = {柔軟性は体力要素の中の一要因であり,傷害の予防やパフォーマンスの向上に寄与することが知られている。その測定方法として長座体前屈のように長さで評価する方法や角度計を用いて関節可動域で評価する方法などがあるが,いずれも被験者の痛みへの耐性の影響が除去できないことから,客観的な測定方法とは言い難い。一方,関節を外力で動かした際に伸長される筋群などから生じる関節の受動トルクを評価することで,関節の力学的指標であるスティフネスを算出できる。このスティフネスは被験者の痛みへの耐性などが混在しないため,長さでの評価や角度での評価と比較すると,より客観的に関節の柔軟性を評価できると考えられている。また,柔軟性には有意な性差が存在することは知られているものの,それらに影響をおよぼす因子についてはあまり明らかにされていない。目的:本研究では足関節を対象としてスティフネスを算出し,それに影響をおよぼす因子を検討した上で,柔軟性の性差とどのように関連しているかを明らかにすることを目的とした。方法:健常な成人27名(27.4 ± 10.3歳,157.8 ± 6.3cm,53.4 ± 6.6kg)を対象として他動的な足関節の背屈を実施した。被験者は筋力計のシートに椅座位を取り,足部をフットプレートに固定し,底屈30°から背屈20°まで10°刻みに底屈筋群から生じる受動トルクを記録した。足関節角度と受動トルクを直線回帰し,その傾きを足関節のスティフネスとした。下腿の筋量の指標として下腿前面および後面の筋厚を,また足関節の関節角度変化に伴う腓腹筋内側頭の筋形状の変化を定量するために超音波Bモード法でそれぞれ測定した。合わせて,各足関節角度における筋のスティフネスを求めるため,超音波エラストグラフィ法で腓腹筋内側頭の筋腹を撮像した。また,等尺性で足関節底屈トルクおよび背屈トルクを最大努力で発揮した(Maximal voluntary contraction: MVC)。さらに,底屈トルクの最大値をなるべく速く発揮することで,トルクの立ち上がり速度(Rate of torque development: RTD)を測定した。また,足関節のスティフネスを従属変数として,本研究で得られた全ての測定項目を独立変数としてステップワイズ法で重回帰分析を実施した。項目間の相関関係の検討には,Pearsonの積率相関関係を用いた。結果:形態的な項目として,身長,体重,下腿長,下腿前面の筋厚,下腿前面の皮脂厚,下腿後面の皮脂厚に有意な性差がみられた。各足関節角度における受動トルクにおいては,有意な性差はみられなかったが,足関節のスティフネスには有意な性差がみられた。各足関節角度における受動トルク,筋硬度,筋束長においては,足関節角度と性差に有意な交互作用はみられなかったが,羽状角においては有意な交互作用と,性差に主効果が見られた。重回帰分析の結果,足関節のスティフネスにはRTDを独立変数とする有意な回帰式が得られた。また,足関節のスティフネスに対して前脛骨筋の筋厚,底屈トルクのMVC,背屈トルクのMVC,RTDに有意な正の相関関係がみられた。結論:本研究では客観的な関節の柔軟性を評価するために,受動トルクと足関節のスティフネスを用いた。足関節のスティフネスには有意な性差がみられ,それには筋量や筋力,筋形状が関与していることが明らかになった。}, pages = {145--159}, title = {足関節の柔軟性に影響を及ぼす因子とその性差}, volume = {45}, year = {2018} }