@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00010372, author = {高桑, 弘樹 and TAKAKUWA, Hiroki}, journal = {京都産業大学総合学術研究所所報}, month = {Jul}, note = {A型インフルエンザウイルスは,鳥類,哺乳類を含む多様な動物に感染する。しかし,A型インフルエンザウイルスのすべての亜型の自然宿主である鳥を除いて,特定の亜型のウイルスは,特定の宿主にのみにしか感染しできないが,まれに,インフルエンザウイルスは,種の壁を越えて,異なる宿主へ病気を引き起こすことがある。鳥インフルエンザウイルスは,ウイルスタンパク質の変異により新たな宿主に適応する。本研究では,インフルエンザウイルスが新たな宿主で増殖性を獲得し,適応するメカニズムを明らかにすることを目的とした。 ヒト由来および鳥類由来のH1N1亜型インフルエンザウイルスの複製効率を,ヒト肺上皮(A549)細胞およびニワトリ胚線維芽細胞(DF-1)細胞において比較を行った。ヒト由来株は鳥由来株に比べ,A549細胞において高い増殖性を示した。また,ヒト由来および鳥由来株のポリメラーゼの活性をヒト細胞において比較を行った。ヒト由来株はヒト細胞において高いポリメラーゼ活性を示した。一方,鳥由来株はヒト細胞において低いポリメラーゼ活性を示した。しかし,鳥由来株の核タンパク質(NP)代わりにヒト由来株のNPを使用すると,鳥由来株のヒト細胞におけるポリメラーゼ活性が高まった。そこで,ウイルス複製に関与する可能性があるNP中の残基について変異体を作製し,ポリメラーゼ活性の比較を行った。NPのT350K変異はポリメラーゼ活性に影響を及ぼさなかったが,NPのR351K変異は有意に低い活性を示した。NPはウイルスの生活環において多様な機能を有するが,ウイルス複製におけるNP変異体の役割は解明されていない。ポリメラーゼ活性に影響するNPの変異の同定は,インフルエンザウイルスの新たな宿主へ適応するメカニズムについて,より理解が深まるものと考えられる。}, pages = {173--177}, title = {「インフルエンザA型ウイルスのNPタンパク質の変異による哺乳動物での増殖性の解析」研究経過報告}, volume = {14}, year = {2019}, yomi = {タカクワ, ヒロキ} }