@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00010442, author = {岑, 智偉 and CEN , Zhiwei}, journal = {京都産業大学世界問題研究所紀要, THE BULLETIN OF THE INSTITUTE FOR WORLD AFFAIRS KYOTO SANGYO UNIVERSITY}, month = {Mar}, note = {本論文は柏祐賢の「包」と黄宗智の「第三領域」を歴史的な中国「公共領域」として、近現代中国の経済社会を理解するための新しい中国的「公共領域」、即ち「間(あわい)」=公共としての「包=第三領域」をその延長線上で考え定義し、帝政晩期から今日までの動的な「伝統中国」における中国的「公共領域」である「包=第三領域」(「公共領域ⅰ」~「公共領域ⅲ」)を簡単な動学モデル(動的経済社会システム)で歴史的に示している。  この論文は更に「包=第三領域」を中国独特の「公共領域」として、「国家」と「社会」の相互作用が繰り返されながら時代と共に変化していると考える。帝政晩期の「包=第三領域」(公共領域ⅰ)は自律な論理性と特性を持つものであり、1949 年から1970 年代後半までの「包=第三領域」(公共領域ⅱ)は国家の浸透により制度化されたものとなり、そして1970 年代後半(政策転換)からの「包=第三領域」(公共領域ⅲ)は前述の二つのものを融合しながら新たな「包=第三領域」として生まれ変わったものとなる。  本論文は、1990 年代以降の「包=第三領域」(公共領域ⅲ)は旧ソ連のように急激的な「西洋的諸要素」への変動がなかったからこそ、その後の中国高度成長を実現させた安定的な社会的環境が与えられたことを簡単な動学分析で示した。この分析から次のことが示唆される。即ち、どの時代においても、中国の歴史的変遷、そして「包」としての中国的経済社会システム、「第三領域」における国家と社会の独特な関係を正確に解読しなければ、正しく今の中国を理解することはできない。決して西洋の経験から生まれた理想的な論理性だけでは中国の経済社会を観ることはできない。しかしその一方、「伝統中国」を強調しすぎると、再び閉鎖的社会にもなりかねない。その意味において、「西洋的諸要素」と「伝統中国」を俯瞰できる新しい「パラダイム」が必要であり、本論文の中国的公共領域としての「包=第三領域」分析(動的社会システム分析)は、動的な「伝統中国」と「西洋的諸要素」を客観的に俯瞰できる一つの新しい方法論となることを期待したい。}, pages = {35--50}, title = {中国的公共領域としての「包=第三領域」 : 近現代中国経済社会を理解する手がかりとして}, volume = {35}, year = {2020}, yomi = {シン, ジエ} }