@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00010774, author = {並松, 信久 and NAMIMATSU, Nobuhisa}, journal = {京都産業大学日本文化研究所紀要, THE BULLETIN OF THE INSTITUTE OF JAPANESE CULTURE KYOTO SANGYO UNIVERSITY}, month = {Mar}, note = {本稿は江戸時代における感染症への対応について考察した。江戸時代の感染症やその対応については、すでに数多くの先行研究がある。先行研究は主に三つの分野に分かれる。医学史、幕府の対応策、文化史の三つである。本稿はこれらの先行研究をふまえて、庶民の視点から感染症と向き合う文化がどのように形成されたのかを考察した。庶民の思考や対応は、科学的な知見という点では劣っていたものの、自然観が大きく反映されたものであった。 江戸時代には庶民は感染症を科学的な根拠ではなく、体験的に皮膚感覚でとらえた。健康に対する庶民の関心は高かったため、養生概念が浸透していた。この概念が根本にあるため、感染症の対応では闘うという姿勢はなく、共生や予防という考え方が主流であった。幕府が行なった諸施策は、この庶民の考え方に沿っていなかった。医者は治療にあたったが、専門的な知識に乏しく、有効な医療が行なわれなかった。そのため庶民は寺社への祈願や護符に頼った。その祈願や護符のなかに共生の姿勢が表わされ、庶民はそれに「癒し」を求めた。しかし、この共生のバランスを崩し、混乱を引き起こしたのは、感染症を商機とみなし、それに群がるさまざまな商売の展開であった。}, pages = {348--300}, title = {癒しと共生の系譜 : 江戸時代の感染症対応}, volume = {27}, year = {2022}, yomi = {ナミマツ, ノブヒサ} }