@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00010869, author = {潮田, 亮 and USHIODA, Ryo}, journal = {京都産業大学総合学術研究所所報}, month = {Mar}, note = {細胞小器官の1つである小胞体は,細胞内のカルシウムイオン(Ca2+)貯蔵庫として働き,小胞体からサイトゾルにCa2+ を放出することで,筋収縮,涙・唾液など外分泌,免疫応答,細胞死など様々な生命現象のシグナル源として重要な役割を果たす。小胞体膜上に存在するCa2+ ポンプは,Ca2+ を小胞体内腔へと取り込み,小胞体内腔のCa2+ を高濃度に,そしてサイトゾルのCa2+ 濃度を低く保ち,細胞内のCa2+ バランスを維持する。以前に,我々のグループは小胞体局在還元酵素ERdj5が小胞体のCa2+ ポンプを活性化することを見出した。今回,この調節機構の破綻により,サイトゾルでのCa2+ 濃度が定常的に上昇することで,別の細胞小器官であるミトコンドリアをバラバラに断裂し,ミトコンドリアからの活性酸素種を蓄積させることを発見した。細胞内での活性酸素種蓄積は,細胞老化を亢進させ,ミトコンドリアからのシトクロムc 放出によるアポトーシス(細胞死)を誘導し,これはアルツハイマー病をはじめとした神経変性疾患やミトコンドリア病の原因になる。今回の発見から,ERdj5の機能を正常に維持することがミトコンドリア機能の低下を防ぎ,健康寿命の延伸につながることが期待される。さらに,ERdj5の機能に注目した解析は,ミトコンドリア機能の低下を原因の1つとするアルツハイマー病のような神経変性疾患など様々な疾患の治療法開発の足がかりになるのではないかと期待する。}, pages = {115--120}, title = {小胞体局在還元酵素ERdj5の欠損が引き起こすミトコンドリア断裂}, volume = {17}, year = {2023}, yomi = {ウシオダ, リョウ} }