@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001281, author = {若井, 勲夫 and WAKAI, Isao}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {本稿は従来、唱歌・童謡・わらべうたを語学文学的に研究してきたのに続いて、広い意味で唱歌の一分野といえる、旧制高校の寮歌を取り上げる。ここで、明治三十年代から昭和前期に至る五十年間に作られた寮歌を言語資料として、学校の範囲を限って十項目の論点を定め、寮歌の言語表現としての特質を明らかにした。前提として、寮の名付け方の特徴、寮を丘と捉える観念、校風を表す語などが寮歌の基盤となっていることを明らかにした。以下、内容を略述すると、音数律は七五調が多く、和語脈であり、新体詩の影響は晩翠、藤村だけでなく鉄幹も重要である。詠嘆調の表現は特に好まれいろいろな用法に表れ、古典の語句の引用は高校生の教養の一端が表れている。また、先行の寮歌の語句や着想を本歌取りのように取り込むところに高校生の心の共通基盤があった。寮歌独自の用語には校風や意識が表れている。次に、寮歌に見られる語彙を分類して整理することによって高校生の意識構造や精神世界を明らかにし、漢語に独特の振り仮名をつけるのも意図があってのことである。歌詞を細かく分析するだけでなく、全体として何を言おうとしたかという内容も重要であり、時代によって変らない高校生の心の真実が表現されている。次に、歌詞が誤解され伝わり、変化していく過程をその言語面の理由から考え、歌詞の文法的な誤りはその誤用を生み出す意識から説くことによって、国語表現の一面が理解される。本稿の研究方法の基本的立場は言語主体(書き手、読み手)が言語によって表現し理解しようとする意識や感覚に重点を置いて、言語表現を生み出す根源の力を求めるところにある。寮歌を文学作品、韻文として位置づけ、その創造(表現)に至る過程を重んじた。そうして言語表現を生み出す精神の作用を探り、言語文化としての寮歌の全体像を明らかにしようとした。本稿は寮歌の語学文学的研究と同時に、言語文化論的研究である。}, pages = {188--158}, title = {旧制高校寮歌の言葉と表現}, volume = {37}, year = {2007} }