@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001282, author = {三好, 準之助 and MIYOSHI, Jun-nosuke}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {本稿は2部構成である。ひとつは日本語とスペイン語の多義語(身体部位名詞)に関して,その意味の対照研究をするための分析記述モデルを構築して提案するためのものであり,もうひとつは,それを作業仮説として,日西両言語のなかで基本的に同一の身体部位を指している多義語を実際に意味分析することである。今回分析の対象になる日本語とスペイン語の2語は,身体部位を指しているが,それらは基本的に身体の共通の部位を指しており,そのような語彙として当然のことながら多義語となっている。この分析記述モデルを作成するために,我々は日本で長年この分野の研究を行ってきた国広哲弥の考え方の足跡をたどり,その考え方のいくつかを参考にしつつ,身体部位名詞の分析に都合のいいような工夫をこらした。他方,今日では十分に開発されている認知意味論の研究成果も参考にし,そこで提案されている分析方法のいくつかを採用した。  我々の分析モデルは,多義とされる複数の語義を基本義と拡張義に分けて設定する。基本義にはフレーム(スキーマ)を考え,そのなかにいくつかの意義特徴をスロットにして含める。そしてそれぞれのスロットから拡張義が派生する,という分析モデルである(作業仮説であるから,今後の修正の可能性もある)。意味の拡張は主として比喩表現の仕組みによって成立する。  後半は実際の多義分析の例である。日本語の「口」とスペイン語の‘boca’を選んだ。その結果,我々が提案する分析モデルが日西両語の多義語の意味論的対照研究をするときに,この分野の研究には必須の概念である,いわゆる「比較の第三項」として十分に機能することが判明した。分析の内容からは,このふたつの多義語の意味構造において,意味的に類似する部分と相違する部分がその構造のどの部分に由来しているかが明らかになった。, 1.国広哲弥(2006)の多義分析  1.1.多義派生の型  1.2.現象素とは  1.3.焦点化とは  1.4.国広とウルマン  1.5.多義構造と対照研究 2.派生義と比喩表現  2.1.3種類の比喩表現  2.2.比喩表現と「多義派生の型」  2.3.認知的多義と換喩  2.4.比喩表現と対照研究 3.認知意味論での多義分析  3.1.多義分析の課題  3.2.統括モデル  3.3.本稿の分析モデル 4.多義分析の例  4.1.日本語の「口」の分析  4.2.スペイン語の‘boca’の分析  4.3.「口」と‘boca’の対照研究 5.結論  注  参考文献}, pages = {1--33}, title = {語彙の対照研究のための多義構造の記述モデル}, volume = {38}, year = {2008} }