@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001309, author = {三好, 準之助 and MIYOSHI, Jun-nosuke}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {本稿は日本語の「目」とスペイン語の ojoとの,多義構造を比較する対照研究の一部である。概念〈台風の目〉に対応する両言語の慣用句である「台風の目」とojo del huracánについて,その成立事情を概観し,両者を比較して判明した,以下の点について報告するものである。 (1)〈台風の目〉の対応語について:日本においてもスペインにおいても,20世紀に入る頃,気象学の分野で〈台風の目〉という概念が一般的に公表された。そして専門用語として,日本では「台風眼」が,スペインではojo de la tempestadが使われるようになった。その後,20世紀の70 年代から一般語として,日本では「台風の目」が,スペインではojo del huracánが使われるようになった。 (2)専門用語について:日本語の気象学用語である「台風眼」に関しては,外国語(英語)の専門用語からの訳語である可能性が高い。スペイン語では,18世紀の用例であるabrir ojo「目を開く」にしろ20世紀初頭に記録されているojo de la tempestadにしろ,専門用語の一種(水夫用語)である。 (3)〈目〉の基本義の意義特徴と対応語の意義特徴について:日本語の場合,「目」が含んでいる〈点状のもの〉という意義特徴と「台風の目」が結びつけられている可能性がある。しかし「目」に〈中心を占める〉という意義特徴を設定してその用例に「台風の目」を持ってくる解釈には説得力がない。この意義特徴は「台風の目」のものであろう。スペイン語の場合もojoの基本義のなかに〈parte central 中心部分〉という位置の意義特徴を設定してその用例としてojo del huracán(あるいはそれに相当する語句)を加えている辞書もあるが,日本語の場合と同様,この意義特徴はojo のものではなくてojo del huracán のものであろう。スペイン語の場合,この慣用句の成立には,ojo の基本義のなかの〈発光体〉というような機能が関与していると仮定することができる。}, pages = {1--21}, title = {「台風の目」とojo del huracan : 日西比較研究 : 「目」の意義特徴との関わり}, volume = {41}, year = {2010} }