@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001326, author = {中川, さつき and NAKAGAWA, Satsuki}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {十八世紀前半の歌劇場の花形はカストラートが演じる男性主人公であり,彼らが悲嘆に暮れる場面が全幕のクライマックスであった。メタスタジオの音楽劇において,主人公である貴公子は優しく典雅な姿に描かれ,彼らが愛する人々に別れを告げて泣きながら去る様子に,当時の観客は涙を抑えられなかったという。とりわけ主人公が無実の罪で牢獄に捕らわれる場面は人気が高く,不運な王子が傷つき苦しむ姿に人々は熱狂した。一方で彼らのパートナーとなる女性主人公は誇り高く雄弁な,理想化された貴婦人である。王子たちは彼女を崇拝し,彼女を通して美徳を学ぶ。威厳を備えた貴婦人と,女性よりも優しく繊細な心を持つ貴公子という組み合わせが当時のオペラにおける理想のカップルである。そして高い音域で歌うカストラートという人種は,そんな男性主人公を表現するために最も適していたのである。}, pages = {97--113}, title = {オペラ・セリアとジェンダー : メタスタジオの音楽劇における嘆きの貴公子}, volume = {42}, year = {2010} }