@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001404, author = {池田, 昌広 and IKEDA, Masahiro}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {大宝令の注釈書である「古記」の佚文都合3条に『漢書』顔師古注の引用を見出せる。「古記」が引用している種々の漢籍は,ほとんど原本系『玉篇』や類書など第2次編纂物からの孫引きだが,くだんの師古注文はそうではなく,『漢書』顔師古本から直接引用されたものと考えられる。また,その引用にあたって吉備真備の教導のあった蓋然性がたかい。この考察結果は,つぎの2つの問題の究明に資する。1つは「古記」の撰者問題。「古記」の撰者については,大和長岡説と秦大麻呂説とが並立しているけれど,真備の教導をうけうる人物であることから長岡説が有利になった。長岡と真備とは,769年に長岡が死去するまで,半世紀にわたり親しい友人関係にあった。最新の『漢書』学を学習し帰朝した真備から知的供与をうけやすい立場に,長岡はいた。もう1つは『日本書紀』の書名問題。「古記」は「日本書紀」の称謂の史料初出である。わたしは,この喚名の由来を真備から「古記」撰者への「正史」観念の伝学にもとめる私案を述べたことがある。真備から「古記」撰者への知的供与が一定の実証性をもっていえることは,私案の蓋然性をたかめる。くだんの知的供与が,ただ師古注にかぎられたとは考えにくく,そのうちに「正史」観念のふくまれていた可能性が十分みとめられるからである。}, pages = {73--86}, title = {「古記」所引『漢書』顔師古注について}, volume = {47}, year = {2014} }