@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001414, author = {齊藤, 泰弘 and SAITO, Yasuhiro}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {20世紀初頭のイタリア文化界で指導的な地位にあったのは,観念論の哲学者たちで,その中心はベネデット・クローチェであった。彼は,本論の主題であるピランデッロの演劇について,エセ哲学を振り回す不純な芸術として酷評したのに対し,その弟子にあたる勇敢な哲学者ティルゲルは,逆に彼を現代人の精神状況を鋭く映し出す哲学的な劇作家として擁護した。彼がピランデッロ芸術を読み解くキーワードとして定式化した《鏡の劇》と《生と形の相克》は,ピランデッロからも好意を持って迎えられたが,この定式は次第にピランデッロの創作活動に枠を嵌めて,その自由を奪う鉄格子のように感じられ始め,両者はともに,一方では恩人への感謝と精神的債権者への反感,他方では恩人としての自負と,忘恩な裏切り者への怒りというアンビヴァレントな愛と憎しみを募らせるようになる。このような文学者と哲学者の間の複雑で微妙な愛憎の関係を,ピランデッロの『すべては首尾よく(Tutto per bene)』(1920年)についてのやり取りを通じて,具体的に跡付けることが,本論の目的である。}, pages = {321--352}, title = {ピランデッロとティルゲル : 『すべては首尾よく』をめぐる芸術と哲学の相克について}, volume = {47}, year = {2014} }