{"created":"2023-05-15T14:41:36.427748+00:00","id":1534,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"cadc10cb-3578-4797-98e7-811f5be0f514"},"_deposit":{"created_by":3,"id":"1534","owners":[3],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"1534"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001534","sets":["14:2:53"]},"author_link":["15186"],"control_number":"1534","item_10002_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2011-03","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"271","bibliographicPageStart":"241","bibliographicVolumeNumber":"28","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"京都産業大学論集. 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戦間期の終焉は、ドイツとソ連が連携してポーランドを攻撃することによって勃発した20世紀二回目の大戦である。この戦争勃発に際する、ポーランドの同盟国であったイギリスとフランスの行動はどのようなものだったのか。日本の教科書は、イギリスはそれまでとってきた対ドイツ宥和政策を放棄して、ドイツにたいして宣戦布告したと記述している。しかしながらこれはイギリス側が従来公に主張してきたところを無批判に採用したにすぎない。実際には、宥和政策は中止されてはいないし、ポーランドが敗れるまでいかなる支援もなされていない。宣戦布告と実際の戦争とは異なる。\n 我が国の世界史教科書は戦間期の出発点においてロシア側の主張を取り入れたように、その終りではイギリスの主張を無批判に繰り返す。青史とは勝者によって書かれたものという言葉があるが、わずか20年の戦間期の記述において、その始まりから終りにいたるまで、今は崩壊した旧連合国ソ連とイギリスの主張がヤルタ体制健在時そのままに通用し、それをいまだにわが国の高校生が学習するという不思議な現象がみられる。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10002_publisher_8":{"attribute_name":"出版者","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"京都産業大学"}]},"item_10002_source_id_11":{"attribute_name":"書誌レコードID","attribute_value_mlt":[{"subitem_source_identifier":"AN00060189","subitem_source_identifier_type":"NCID"}]},"item_10002_source_id_9":{"attribute_name":"ISSN","attribute_value_mlt":[{"subitem_source_identifier":"0287-9719","subitem_source_identifier_type":"PISSN"}]},"item_10002_version_type_20":{"attribute_name":"著者版フラグ","attribute_value_mlt":[{"subitem_version_resource":"http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85","subitem_version_type":"VoR"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"松川, 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