@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00001585, author = {安倍, 慎一 and ABE, Shin-ichi and 林, 恵理子 and HAYASHI, Eriko and 芦谷, 剛一 and ASHIYA, Koichi and 清水, 昭男 and SHIMIZU, Akio and 瀬尾, 美鈴 and SEO, Misuzu}, journal = {京都産業大学論集. 自然科学系列}, month = {Mar}, note = {線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)は軟骨細胞の増殖抑制,分化の調節に関わっていることが知られている.頭蓋骨以外の骨,特に長骨などの形成,伸長は軟骨原基の軟骨内骨化によりおこる.軟骨原基内の成長板において軟骨分化が秩序だって起こっており,その精密な分化の調節により正常な長さの骨を作ることが出来る. FGFR3の変異による過剰なFGFR3のシグナルは,成長板における軟骨分化のバランスを著しく乱し,四肢が短くなるなどの症状を呈する軟骨無形成症を引き起こす. FGFR3は軟骨細胞にSTAT1を介した経路でのCDKインヒビターp21^C1P1の発現を誘導することにより,その増殖を抑えることが報告されている.しかし,その詳細なシグナル伝達機構はあまりよく分かっていない.  本研究においてin vitroで軟骨の分化を再現できる能力のあるATDC5細胞を用いることによりFGFR3の軟骨細胞においての機能と作用機構について明らかにしようとした.未分化状態のATDC5細胞はFGF刺激により増殖が促進されるが, FGFR3を安定発現させたATDC5細胞ではFGF刺激により著しく増殖が抑制された.またその時,著しい形態の変化が見られ細胞接着が剥がれ丸くなった.そして,それらと同調してp21^C1P1の発現が誘導されていた.この時の細胞内のシグナル経路を調べたところ, STAT1が活性化されていたのに加え, MAPKであるERK1/2も長時間にわたり強く活性化されていた.この事から, ATDC5細胞におけるFGFR3によるシグ ナルのERK1/2経路の作用を調べたところ,特異的なインヒビターでERK1/2の活性化を阻害することにより, p21^C1P1の発現が抑えられることがわかった.またさらに, mouseのFGFR3のC末端部位をhumanの相同する部位と置き換えたキメラレセプターによるシグナルでは, STAT1のチロシンリン酸化, ERK1/2の活性化が, mouseのFGFR3と比較しても差が見受けられないのにp21^C1P1の発現が見られなかった.このことによりその他の重要な経路の存在が示唆された.そのため, FGFRにより活性化されることが知られているPKCやSrcに対するインヒビターを用いてその経路を阻害した.興味深いことに,こちらでもp21^C1P1の発現が抑えられた.この時ERK1/2の活性化に影響はなかった.さらに興味深いことに,これらのインヒビターすべてによりSTAT1のチロシンリン酸化が抑えられていた.これらの結果より, ATDC5細胞におけるFGFR3のp21^C1P1の発現を誘導するシグナル伝達は, STAT1を軸とした様々な経路の関わる機構により制御されていることがわかった.軟骨細胞においても, 同様の機構が働いていることが示唆された., 1. 序論 2. 略語表 3. 結果 3.1 ATDC5細胞におけるFGFR3とMHR3の安定発現 3.2 R3発現細胞はFGF1刺激によりp21^C1P1を発現し完全に増殖が停止する 3.3 R3細胞とMHR3細胞のSTAT1とERK1/2の活性化に差は見られなかった 3.4 FGFR3によるCDK inhibitor p21^C1P1の発現誘導には複数の細胞内シグナル伝達経路が関与している 4. 考察 引用文献}, pages = {1--27}, title = {軟骨前駆細胞ATDC5におけるFGFR3のシグナル伝達 : 軟骨細胞におけるFGFR3の機能と作用機能}, volume = {35}, year = {2006} }