@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00002483, author = {中西, 佳世子 and NAKANISHI, Kayoko}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {ナサニエル・ホーソーンの故郷セイレムを舞台とする『七破風の屋敷(The House of Seven Gables)』(1851)は過去と現在の連続性を前面に出した作品である。その序章の語り手は,本体の物語が代々のピンチョン家にふりかかる災いを描く「呪いの成就」の物語であると予告する。しかし,実際の物語は「機械仕掛けの神」を用いたかのように,ピンチョン家の末裔に唐突に訪れた幸運な結末で閉じられる。こうした序文と本体の矛盾および不自然な物語の結末は,この作品の欠陥とされてきた。しかし,物語におけるセイレムの噂をする「群集」の存在,ならびに物語を通して継続的に行われるプロヴィデンスへの言及に注目すると,ホーソーンが「呪いの成就」と「呪いの解体」という,相反する方向に進むプロットを巧妙に組み込んでいることが分かる。物語の語り手は,噂をする「群集」の側の視点で「呪いの成就」のプロットを展開させる一方,その「群集」とは距離をおき,彼らには知り得ないプロヴィデンスの計画があることを示唆しながら「呪いの解体」のプロットを展開させるのだ。本論は『七破風の屋敷』の噂をする「群集」とプロヴィデンスへの言及に注目することで,相反するプロットを持つ物語の二重構造を明らかにし,そこに提起される「個人」と「集団」の問題,および,作家と社会の関係性を考察するものである。}, pages = {231--244}, title = {『七破風の屋敷』の噂する「群集」 : 呪いの予言と幸運な結末}, volume = {50}, year = {2017} }