@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00002487, author = {平塚, 徹 and HIRATSUKA, Tohru}, journal = {京都産業大学論集. 人文科学系列}, month = {Mar}, note = {従来,「自転車をこぐ」の「自転車」は《ペダル》を指示するメトニミーだと言われてきた。しかし,「自転車をこぐ」とは,単に自転車のペダルをこぐことではない。むしろ,ペダルをこぐことによって,自転車を推進することである。そして,「自転車」は《自転車》そのものを指示していると考えるべきである。  山本(2013)は,「自転車をこぐ」をSメトニミーとして分析する。しかし,この分析には,以下の二つの問題点がある。  ①「自転車」が《自転車》を指示しつつ,《ペダル》を表すという乖離が起きている。  ②「自転車をこぐ」全体が《自転車を推進する》ことを含意するメカニズムが明示的に示されていない。  これに対して,本稿は,「自転車をこぐ」の「自転車」はメトニミー的表現ではなく,「こぐ」の方がメトニミーにより《ペダルをこいで(目的語の指示対象である)自転車を推進する》という意味になっていると考える。  以上のことは,「自転車をこぐ」と同様に分析されてきた「電球が切れる」や「洗濯機をまわす」などの他の表現にも当てはまる。また,「寿司・おにぎりを握る」の「握る」のような作成動詞の派生も同じプロセスにより生じている。さらに,《酒宴を催す》ことを表す「張る」や,「掻く」を語源とする「書く」は,動詞のメトニミーにより派生した意味がさらに変化して生じたものである。}, pages = {321--335}, title = {「自転車をこぐ」の「自転車」はペダルを表すメトニミーか}, volume = {50}, year = {2017} }