@article{oai:ksu.repo.nii.ac.jp:00009926, author = {矢放, 昭文 and YAHANASHI, Akifumi}, journal = {京都産業大学総合学術研究所所報}, month = {Jul}, note = {小稿では「英粤対音資料」が内包する「歐化語法」の「予兆現象」について検討する。研究対象とする「英粤対音資料」の大半は19世紀中葉に成立したものであるが,その中に,書面粤語の繋詞(判断動詞)“ 係hai6” と存在場所を示す動詞或いは前置詞“ 喺hai2” の間の,声調変化を伴う「文法化」現象(文法上の発展)を認めることができる。この点は,1910年代に始まる歐化語法発生の「予兆現象」或いは「歐化前史現象」の一つとも見做すことができる。  またアヘン戦争(1840-41)後,英国との商業交易が著しく発展したことに伴い,多くの借用語が粤語語彙に取り入れられた事例,西洋のラテン文字に比して本来的に語音表記機能が限定される漢字を使っての英語の強弱アクセントと語音表示に施された詳細な工夫など,口語を主体としつつ,さらに英語音の微細な表記にこだわる注記を「狩野本」の『華英通語』(1855)に認めることができる。  これらの事実は,交易の現場における口頭交渉の必要上生み出されたものであろう。口頭コミュニケーションの重要性と必要性は,話し言葉を書面で記録し保存する英粤語彙集・会話書の誕生と,白話文体による書面粤語の発達を促した。さらには1910年代の「歐化語法」発生を導く予兆現象と考えることも可能である。}, pages = {1--13}, title = {「英粤対音資料」と二三の歐化前史現象}, volume = {12}, year = {2017} }